こんばんは。
先日、久しぶりに会社にときどき来られる保険代理店の方が変額保険の資料を持ってこられていました。毎月の保険代で投資信託を買うような設定の保険のようで、興味を持つかなぁということで持って来てくれたようです。
確定拠出年金は開始したら基本的に定年まで辞めずに続けることが前提ですが、保険商品ならその縛りもないようなので、ぱっと見は良さそうに感じたんですけどね。細かく内容を見たら無理、ってなりました(笑)。
設計書を頂いたので内容を確認
アクサ生命の死亡保障のついた変額保険です。毎月の保険代から投資信託を購入し、運用成果によって死亡保険金・高度障害保険金(基礎保険金)、または満期保険金の金額が支払われるようです。
保険期間内に死亡、または高度障害状態になった場合は、基本保険金またはその際の積立金額のいずれかの大きい額が給付され、基本保険金額は最低保証されます。
保険期間満了時に元気だった場合、保険期間満了日の積立金額が満期保険金として受け取ることができます。投資信託での運用が好調な場合には、支払保険料よりも多くのお金を受け取ることが可能となります。
運用実績シミュレーション
30歳男性、月々2万円、基本保険金額901万円、保険期間・保険料払込期間満了30年でのシミュレーションがありました。
60歳までに死亡、高度障害状態になった場合は、ほとんどの場合、払込保険料累計よりも大きい基本保険金額を受け取るができます。最低保障が901万円とされていますからね。6%運用の場合は、さらに大幅に上回る1,538万円となっています。
では60歳まで元気に過ごした場合はどうでしょうか。60歳まで30年間の支払い保険料は累計で720万円となりますが、-3%の運用の場合は365万円、0%の運用の場合は558万円と払込保険料累計を下回っています。3%の運用の場合は901万円、6%の運用の場合は1,538万円と払込保険料を上回っています。
保険満了時の60歳までに亡くなっていたら基本保険金の901万円が受け取れ、返戻率は約125%。ただ、元気に生きていて幸いに運用損失を出さずに(運用実績が0%)60歳を迎えたとき、受け取れる金額は558万円の77.5%なんですよね。
死亡保障もついて運用益でプラスになるなら、ってぱっと見は面白そうって思いましたが、自分で保険金相当額を貯金した金額よりこんなにも少ないのならちょっとぼりすぎのような気がしますね。
費用が高い?
毎月の保険料から積み立てて運用を行いますが、では実際に満期保険金を受け取るためには毎月必要な積立額はいくらでしょうか。
返戻率の上振れの例の6%で確認をしてみます。毎月2万円、30年間の6%運用で複利計算した結果は、2,011万円となりますが、この保険で受け取れるのは1,538万円です。
30年間、6%運用で1,538万円を貯めるためには、同じく計算すると15,294円となりました。ということは60歳で6%の運用実績で満期保険料を受け取った場合は、毎月差額の4,706円が残念ながら費用となってしまった計算になります。もちろん、死亡した場合の最低保証もあるので、一概に比較はできませんけどね。
費用もさらっと確認をしました。上の5項目以外にも運用関係費として投資信託の信託報酬等がかかりますが、※の箇所が気になりました。
保険関係費(上記①~⑤)の総額は、被保険者の年齢、性別などにより異なるため、具体的な金額や上限額を表示することができません。
④死亡保障などに必要な費用(危険保険料)が毎月の保険料から控除されていますが、この金額も表示することができないようで、どのくらいの金額が運用に回っているのかも判断がつきません。先ほどの計算を見ると、運用をメインとして考えるとかなり分が悪い金融商品のように感じました。
個人的な結論としては、運用実績のシミュレーションは60歳までに亡くなれば運用の成績に関わらず最低保証の基本保険金は受け取れますので、早く亡くなれば得をする保険だとは思いましたが、運用をしようとは思えませんでした。
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